Grandad

以前にもお話しましたが、実家はとっても古い百姓農家です。　ご先祖代々お米を毎年作ってきました。でも今年から誰も跡を継ぐ人がいないので、何百年（？）と続いてきたお米作りも去年で終わり。(本当は私とポポがお米作りをするはずだったのですが、それもなくなりました。）

おじいちゃんの一生は、お米作りから始まった人生なので、なかなかお米作りをやめられずにいました。去年終わってしまいましたが、おじいちゃんは８６歳。村の中でも一番の年より百姓でがんばっていました。



性格的に一日中いつも何かをやっていないと気が済まないタイプで、いつも何かしらやっているおじいちゃんです。朝早くから夜真っ暗になるまで働き者。

そんなおじいちゃんをポポはいつも興味深そうにしています。　ポポは仕事はITでも、ファーム育ちのメカニシャン。こういうの大好きなんです。　人生の仕事で、ITとファームしかない！といわれたら、ファームを選ぶほどなんですよ。



おじいちゃんの納屋は一見ガラクタの様にみえて、たくさんのGearがならんでいます。ぐちゃぐちゃに配列されていそうで、実はおじいちゃんにしか分からない整頓。

今までトラクターや田植え機、コンバインなどたくさんの農機を持っていましたが、全て去年売り払ってしまって４つもある納屋はガラガラ。売り払う時は淋しそうに見送ったそうです。





この樽の中には何が入っているのかわかりませんが、昔は梅干しもお味噌も、漬物、ごまみそ、おもちも手作りでした。今はそんなことは出来ない体になりましたので、やっていませんが私が幼いころはお手伝いしたものです。



祖父は家の裏に畑をもっていて、畑仕事に精をだしています。田んぼを作っている間も７０年以上続けていた野菜作り。　祖父は野菜作りの名人さん。



一緒に畑に行くと、「これがこのくらいの背丈になって」といろいろコツや話をしてくれるんです。それが楽しい！　一年中一緒に祖父と畑づくりをできたら楽しいだろうなぁ。そしたら毎日野菜日記をつけて勉強するんだけど。



人生の全てを農家として頑張って来た祖父の手はごつごつ。指も太くてごっつい手をしています。祖父はまだ若いころ田んぼと畑のほかに、配管工としての昼間の仕事もしていました。どれも全て体仕事。今でも覚えているのですが。幼いころまだ配管工として、田んぼの最盛期として働いていた時の祖父のからだはボディービルダーのようにすごい筋肉だったんです。孫ながら「おじいちゃんの体すご～い。」って思っていました。



年はかなりとっていて背丈はちっちゃい（なんだか背が低くなったかも？）、力持ちなんですよ。



葉っぱが青々しくてとっても綺麗でしょう？　生き生き健康そうに生きています。わらも丁寧に周りに敷かれて細かな作業がなされています。


手前にも枯れ草が置いてあったり、横に竹で土くずれをふさいだり、横にあるワラを輪の鉄で押さえてあったりと、とってもきっちり手入れがされているのがすごい。



周りは家がないことと、国道のすぐ隣なので、強風が目の当たり。野菜が倒れない様に、ワラがひかれた上に土を被せているところです。これで土の中が温かいことと、ふわふわ空気が入り、腐ったワラは肥料にもなります。



もくもくと仕事を続ける祖父。　年なので動きはスローなのですが、一つ一つ丁寧に。次は何をしようとか、次は何をすればいいのかとかなど考えながら。　自分たちでも食べきれないほど作った野菜は、近所の人や親せきの人にお寺さんへと沢山差し上げています。



出来あがり♪



手前は冬用の大根。これまたとっても生き生き見事な葉が生えています！　「おじいちゃんすごいねぇ～！」と感心して言うと、「これはおじいちゃんが葉っぱをちゃんと取ったからからや～。葉っぱがたくさんあってもだめや。とったらまた生えてくるんや。」　右側には菊が生えていて、「菊も頭を切ってこれが二回目。」とニンマリした顔な祖父(笑）



「おい！かきもぐぞ！」といいだして、普段はひとりじゃ大変なのでポポを梯子に昇らせて柿をもぎました。家を建て直す前は、この柿の木の5,6倍の幹の太さの柿の木がありました。



おいおい、おじいちゃん、そんな不安定なところで大丈夫？？　　




ちゃんとこんな梯子や柿を入れるバスケットももっていて、もうひとつS字になった金具まで持ってきました。何をするんだろう？と思っていたら、それを使って籠を梯子にひっかけて使っていました。こういうちいさなことが、今までの経験と納屋に沢山ある器具や工具が役立っていますね。




もぎたての柿はすぐに皮をむいて食べちゃいました♪　ごちそうさま。